1/8 科学を志す
- 公開日
- 2017/01/08
- 更新日
- 2017/01/08
校長室より
1月6日の中日春秋は読まれた方も多いかと思います。
紹介します。
(引用)
その少女の寝室には、北向きの窓があった。窓から見える星空が、十歳の女の子を夢中にさせた。
じっと見続けていると、星のめぐりが分かる。眠るのが惜しくなって、夜更かしをする。だから、お母さんは、大声を出さなくてはいけなかったという。「一晩中、窓から頭を出し続けるのはやめなさい」。だが、少女は見続けた。
この少女が、米国の天文学者ベラ・ルービンさん。銀河が回転する速度を観測することで彼女が成し遂げた発見は、ノーベル賞に値すると言われた。宇宙の4分の1を占めながら、見ることができぬ謎の物質「ダーク・マター(暗黒物質)」が存在する証拠を見つけたのだ。
少女時代から天文学を志していたが、高校の教師からは「科学を志すには、力不足」と言われ、名門大学からは「当大学院は、女性を受け入れない」と断られた。
4人の子の育児に追われながらの学究生活だったので、多くの研究者が一番乗りを競い合うテーマは避け、人があまり手を出さない問題にじっくり取り組んだ。それが大発見につながったという。
女性として史上三人目のノーベル物理学賞受賞はならぬまま、年末に88歳で逝ったが、こう語っていたそうだ。「名声など、つかの間のこと」「私の人生で、毎晩星を見ることほど面白いことはないんです」。一晩中どころか、一生涯、星空を見つめ続けた人生である。
(引用終わり)
4人の子を育てながら、星空を見つめ続けたルービンさん。星空に大きな夢を描いていたのですね。
(画像はウィキペディアより ダークマターの分布)