12/29 春夜喜雨
- 公開日
- 2015/12/29
- 更新日
- 2015/12/29
校長室より
ある本を読んでいたら、杜甫の「春夜喜雨」が出ていました。漢文は好きなので、調べてみました。白文と書き下し文は次のようです。
好雨知時節(好雨 時節を知り)
当春乃発生(春に当たりて乃ち発生す)
随風潜入夜(風にしたがひて潜かに夜に入り)
潤物細無声(物を潤して細やかに声無し)
野径雲倶黒(野径 雲と倶(ともに)に黒く)
江船火獨明(江船火 独り明らかなり)
暁看紅湿處(暁に紅の湿ふ処を看れば)
花重錦管城(花は錦管城に重からん)
本来は当然縦書きですが、ホームページの都合上、横書きにしてあります。これでは、意味がわかりませんね。
現代語訳は次のようです。
よい雨というのは、降る時を知っている。
春になると降り始めるのだ。
風に吹かれながら夜までしとしとと降り続け
音も立てずに一面を潤す。
野の小道も雲も真っ暗で
(その景色の中にある)川に浮かぶ船の灯だけが明るい。
明け方に紅色に湿ったところがあったので見てみると
錦官城に咲く花が重たげに見えているのであった。
この詩に歌われているように、何かを為すときは最初は、何もかも真っ黒かもしれません。けれども、一筋の明かりが必ずともっているはずです。その明かりを見て、苦労をしていくと、やがて夜が明けるかのように、様々なもの(この詩で言う花)が見えてきます。
教育に当たる私たちも、この詩を今一度かみしめるのもいいかと思います。