学校日記

11/2 放送朝会

公開日
2020/11/02
更新日
2020/11/02

学校行事

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 おはようございます。新しい月、新しい週の始まりです。
 曇り空の下、今日も元気に子どもたちが登校しています。今日の放送朝会は、校長先生のお話と総務委員、保健委員からの連絡です。

(校長先生のお話) 
 今朝は、絵本の読み聞かせをします。
 声だけなので、お話の様子を想像しながら聞いてください。
 
 「だいじょうぶ だいじょうぶ」 いとうひろし

ぼくが今よりずっと赤ちゃんに近く、おじいちゃんが今よりずっと元気だった頃、ぼくとおじいちゃんは、毎日のようにお散歩を楽しんでいました。
ぼくたちのお散歩は、家の近くをのんびりと歩くだけのものでしたが、
遠くの海や山を冒険するような楽しさにあふれていました。
草も木も、石も空も、虫も獣も、人も車も。
時には、卵を運ぶアリや鼻の頭をけがした猫にさえ、
古くからの友達のように、おじいちゃんは声をかけていました。
そんなおじいちゃんと手をつないでとことこ歩いていると、
ぼくの周りは、魔法にかかったみたいにどんどん広がっていくのでした。
でも、新しい発見や楽しい出会いが増えれば増えるだけ、
困ったことや怖いことにも出会うようになりました。
お向かいのけんちゃんは、訳もなくぼくをぶつし、
おすましのくみちゃんは、ぼくに会うたびに顔をしかめます。
犬はうなって歯をむき出すし、自動車はタイヤをきしませて走っていきます。
飛行機は空から落ちることがあるのも知ったし、
あちらにもこちらにも、恐ろしいばい菌がうようよしてるってことも知ったし、
いくら勉強したって読めそうにない字があふれているし、
なんだか、このまま大きくなれそうにないと思えるときもありました。
だけど、そのたびにおじいちゃんが助けてくれました。
おじいちゃんはぼくの手をにぎり、おまじないのようにつぶやくのでした。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
それは、無理してみんなと仲良くしなくてもいいんだってことでした。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
それは、わざとぶつかってくるような車も飛行機もめったにないってことでした。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
それは、たいていの病気やけがはいつか治るもんだってことでした。
それは、言葉がわからなくても、心が通じることもあるってことでした。
それは、この世の中、そんなに悪いことばかりじゃないってことでした。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
ぼくとおじいちゃんは、何度その言葉を繰り返したことでしょう。
けんちゃんともくみちゃんとも、いつの間にか仲良くなりました。
犬に食べられたりもしませんでした。
何度も転んでけがもしたし、何度も病気になりました。
でも、そのたびにすっかりよくなりました。
車にひかれることもなかったし、頭に飛行機が落ちてくることもありませんでした。
難しい本も、いつか読めるようになると思います。
もっともっと、たくさんの人や動物や草や木に出会えると思います。
ぼくはずいぶん大きくなりました。おじいちゃんはずいぶん年をとりました。
だから、今度はぼくの番です。
おじいちゃんの手を握り、何度でも何度でも繰り返します。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
だいじょうぶだよ、おじいちゃん。

おしまい

 今、読書週間ですね。みんなもすてきな本にいっぱい出会ってください。
 今日読んだ本は校長室に置いてありますから、読みに来てくださいね。