学校日記

3/18 発明

公開日
2017/03/18
更新日
2017/03/18

校長室より

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 少し以前の中日春秋(3月14日)に、おもしろい記事が掲載されていました。すでに読まれた方も多いかと思います。なかなか掲載する機会がありませんでしたので、少し遅くなってしまいましたが、紹介します。

(引用)
 カタツムリの殻は、いつもピカピカしている。じめじめした場所で暮らしているのに、実に清潔である。

 カタツムリの殻の表面には、とてつもなく細かい凹凸がある。だから油汚れが付いても油と殻の表面の間に水が入り込んで、油を浮かせてしまう。そんなカタツムリの殻の構造から、汚れにくく掃除のしやすいタイルが生まれたそうだ。

 大きな羽音を立てずに飛び、獲物を仕留めるフクロウの羽を参考にしたら、新幹線のパンタグラフの騒音が、三割以上も減った。先端にギザギザがある蚊の針をまねたら、刺す痛みが少ない注射針が生まれた(石田秀輝ほか著『地球が教える奇跡の技術』)。

 そういう「自然の造形の妙」から教わった発明品の中でも、これは歴史的傑作の一つだろう。このほど日本化学会の化学遺産に指定された、おなじみの蚊取り線香である。

 上山英一郎(1862〜1943年)が最初に作った蚊取り線香は細い棒だった。40分ほどしか持たないから、安眠などできぬ。苦心する英一郎に「渦巻き型なら:」と勧めたのは、妻ゆき。蛇がとぐろを巻いているのを見て、形を思いついたと伝えられる。

 物理学者・寺田寅彦は<科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打明けるものである>と説いたが、あの絶妙な渦巻きもまた、自然の真心の形なのだろう。
(引用終わり)

 自然物から、人は多くの発明をしているのですね。そのためには、「自然を恋人」とする気持ちで見ていかないといけないのですね。真摯な目で自然を眺めること、大切なことかもしれませんね。