1/11 覚悟
- 公開日
- 2017/01/11
- 更新日
- 2017/01/11
校長室より
今日も中日春秋の話題を。
被災地でずっと医療に従事していた高野病院の院長・高野英男さんがなくなった記事が年末に出ていました。今日の中日春秋はそのことに関しての内容でした。紹介します。
(引用)
ジョン・ササル氏は戦後長らく、英国南西部の貧しい村で地域医療に打ち込んだ医師だ。村に住み、患者一人一人の暮らしぶりまで知った上で、病と向き合った。
先日、90歳で逝った英国の作家ジョン・バージャーさんは、ササル医師の姿を活写した名著『果報者ササル』(みすず書房)で、その医療の本質を描いている。<彼がいい医者だと見なされるのは、患者の心の底に秘められた、口に出されることのない、友愛を感じとりたいという期待に応えているからである>。
しかし、そんな期待に応え、全人格的に患者と向き合い続ければ、医師はとてつもない喪失感とも向き合わねばならない。だからササル医師は、こんな覚悟で日々を送っていたという。
「死のことを考えさせられるとき−それは毎日のことだが−わたしはいつも自分の死のことを考える。そうすると、もっと懸命に働こうという気になるんだ」。
この方も、そういう覚悟で患者さんと向き合っていたのだろう。福島県広野町で地域医療の柱であり続けた高野病院の院長・高野英男さんが昨年末、81歳で亡くなった。原発事故後も患者一人一人に寄り添い、被災地に踏み留(とど)まって医療を支え続けた大黒柱の死である。
院長の逝去で、高野病院は存続の危機にあるという。これは、一病院の問題ではない。被災地を国全体で支え続ける覚悟の問題だろう。
(引用終わり)
2人はずっと医療活動に取り組んできた方です。それぞれ逆境にめげずにがんばってこられました。きっと大きな覚悟があったのではないでしょうか。この覚悟をだれが引き継いでいくのか。今、大きな問題が提起されています。