3/11 あれから5年
- 公開日
- 2016/03/11
- 更新日
- 2016/03/11
校長室より
東日本大震災から今日で5年。
新聞、テレビ等では、東日本大震災のことが多く取り上げられています。これらの報道を見ても、復興にはまだ時間がかかる印象を受けます。大震災の時、「想定外」という言葉がよく使われていたことを思い出します。1000年に一度の災害ということで、いわれていたのでしょう。特に、地震の後の大津波と原発事故は私自身にとっても驚きでした。
人間は知恵を持っています。この災害を教訓にして、この悲惨な状況を繰り返さないようにしたいと思います。それが、この災害で亡くなられた方々への祈りにつながると信じています。
今日の中日春秋に次の記事が載っています。長文ですが紹介します。
<いつもと変わらない/朝がくる。/けれど今日は新しい朝なのだ。/おめでとうございます/どこかで誰かの声がする。/けれど私は言わない>。福島の詩人・根本昌幸さん(69)の詩集『荒野(あらの)に立ちて』に収められた一節だ。震災があり、原発事故が起き、たくさんの人が死んだ。だからおめでとうとは言わない、と詩人はうたう
▼<新しい朝に/太陽に向かって/今年は良いことが必ず/ありますように と/祈るだけだ。/頭をさげて/手を合わせるだけだ>。原発事故により、先祖代々何百年も暮らしてきた里から離れて五年。根本さんが重ねてきたのは、そういう歳月だ
▼根本さんの妻でやはり詩人の、みうらひろこさん(73)は事故直後、幼いころの体験を突然思い出したという。先の見えぬ避難が、終戦直後の中国での逃避行で弟を失った時の記憶を呼び戻したのだ
▼巨大な力に振り回されての逃避行。帰りたいのに帰れぬ望郷の念。ひろこさんは、そんな思いを住民が消えた街の郵便ポストに語らせた。「ここは避難区域のため このポストは使用禁止です」との張り紙で口を塞(ふさ)がれたポストだ
▼<私は届けることが出来ません/誰にも思いを届けられません/私は届けたい…/悲しみや悔しさややりきれなさと/張り裂けそうな心の便りを/届けたい 届けたい 届けたい>
▼そんなポストが今日も立ち続けている。
学校も半旗を掲げ、亡くなられた方々へのご冥福と、復興が一日も早く進むようにお祈りしています。
(写真は、中日新聞デジタル版より、朝日が昇る岩手県大槌町)