10/6 日本人の受賞 23人目
- 公開日
- 2015/10/06
- 更新日
- 2015/10/07
校長室より
昨夜、うれしいニュースが飛び込んできました。
今年のノーベル医学生理学賞に、北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたのです。日本からの受賞は昨年の赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんらに続き2年連続。通算では23人目です。
今日の中日春秋に、大村さんのことが掲載されていました。紹介します。
今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた大村智さんは山梨の農村で過ごした子どものころ、父・恵男(よしお)さんに植林を手伝わされたという。そのとき、父にこう諭されたそうだ。「これらの樹木は自分の代には切り出せるようにはならないが、将来おまえたちの代になると役に立つ。そして今切り出している材木は、先祖の人々のお陰なんだ。」(馬場錬成著『大村智 2億人を病魔から守った科学者』)
少年は長じて、科学の森に木を植える人になった。地面を這うようにして集めた微生物から、薬の種となる化合物を探した。その種から育った木は大きく枝を広げ、アフリカの大地を潤すこととなった。
大村さんが育て、慈しんできたからこそ、年間数十万人の失明者を出していた寄生虫病の蔓延を劇的に減らすことができたのです。まさに、ノーベルが遺産を運用する基金を設け、その利子を「人類のために最大の貢献をした人々に分け与える。」としたノーベル賞にぴったりの受賞だったと思います。
また、昨夜の会見で「私の仕事は微生物がやっている仕事をいただいたものなので、私自身は微生物の仕事だと思っています。」と語る姿勢が人柄がしのばれて、印象的でした。うれしいニュースでした。
(画像は、中日新聞電子版より)