8/22 PL学園最強世代
- 公開日
- 2015/08/22
- 更新日
- 2015/08/22
校長室より
今年は高校野球100年。
今から100年前の、1915年に第1回全国中等学校優勝野球大会が開催されました。それから100年ということで、今年の夏の甲子園大会は話題の多い大会となりました。
結果は、皆様もご存じのように、仙台育英(宮城)と東海大相模(神奈川)が決勝を戦い、東海大相模高校が優勝しました。決勝にふさわしいすばらしい試合でした。
さて、今から28年前、春夏連覇した学校があります。大阪代表のPL学園です。後にプロでも活躍する立浪、片岡、野村、橋本を擁したチームです。そのとき、キャッチャーとして活躍していたのが、伊藤敬司選手です。
以前このホームページでも紹介しましたが、彼は今、ALS《筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)》という難病にかかり、動くことも、話すこともできなくなってしまいました。この病気は、現代の医学では治療の方法がありません。余命は3〜5年と言われています。けれども、彼は発症からすでに7年という月日を過ごし、今では体の中に自分の意志で動かせるところはほとんどなくなってしまいました。
その彼が、生きた証として「PL学園最強世代ーあるキャッチャーの人生を追って−」という本を出版しました。高校から大学、社会人野球を経て企業人に、そして発病、現在にいたるまでの出来事や思いを綴っています。そのすべてをここで紹介することはできませんが、最後のエピローグでこんなことを述べています。
ただ一つ、まず言えることは、今置かれている状態がどんなに辛い状況であっても、生き、生かされている限り、自分のこの世での使命を全うしようということ、それがたとえ、一日中ずっとベッドの上で生活していても。
世の中に必要のない命はない。
ぜひ手にとって読んで欲しい一冊です。