7/21 人と違う勇気を その2
- 公開日
- 2014/07/21
- 更新日
- 2014/07/21
校長室より
先日のホームページで、曽根綾子さんの記事を載せました(初等教育資料 2014年6月号)。その続きで含蓄のある内容がありましたので、長文になりますが掲載します。
内容は、「今の子供たちに、どのような力を育てることが大切だとお考えですか。」という質問に答えられたものです。
「子供も大人も同じですが、物事を多面的に見られる「眼力」のようなものは必要でしょう。人間には、それぞれの生活があり、それぞれの立場があります。他人の生活は、第三者が伺いしれないほど、複雑な背後の理由があって成り立っています。それを全部とは言えませんが、憶測し、その人の立場を理解するような人間になってほしいですね。それが人間として「平等な人」なんです。
人は決して生まれながらに平等ではありません。与えられた才能も、健康も、外見も生まれも違うのに、人は皆平等だと言われても、私には全く信じられませんでした。
その代わり、人はそれぞれ個別の才能や特徴をもっています。今はその姿が見えなくても長い年限には必ずその才能の芽は見えてきます。それをフルに発揮してもらうことほど世間で楽しいものはありません。
子供たちには、自分は他者と違うのだ、違っていいのだ、違って当然なのだ、ということを伝える必要があります。いつも言うのです。人間はクッキーじやないんですから、一人ひとり違った顔をしていなければならない。自分と違うことも認めなければならない。このような必然的な人間関係をできるだけ早い年齢から、確認させなければなりません。たとえそれがどんなに辛いことであろうと、その試練には耐えさせねばならないのです。
このように、人と違うことの勇気は必要です。今は大人も子供も、人と違うことが怖くてならない時代のように見えます。(中略)
違いを認めつつ、自分も他者も立てる。その多様性に耐える勇気も実に大切です。」
「違いを認めつつ、自分も他者も立てる。」
理屈では分かっていてもなかなか実行できないことです。けれども、こういう気持ち、心を育てていくことに、学校、保護者が連携して取り組んでいく必要性をあらためて感じました。