5/29 つなみ
- 公開日
- 2014/05/29
- 更新日
- 2014/05/29
校長室より
みなさんは、この本を知っていますか。
平成23年8月に文藝春秋から出版された本です。この本は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災にあった被災地のこども80人の作文集です。その中の、6年生の児童の作文を紹介します。なお、子どもの作文ではひらがなで書かれている部分を、読みやすいように、漢字で表記します。
3月11日の地震が発生した日、私は教室を出て学校の掃除をしていました。みんなが「地震だ」と言ったとたん、強い揺れが発生し、私は急いで教室に戻りました。友達と手をつなぎ、ずっと続いた地震を耐えていました。そして教室の中はいろんなものが倒れて、ぐちゃぐちゃになってしまいました。地震の次は大津波警報が出てきました。外から走ってきた人が「津波だ」と叫んでいる声が聞こえ、私は屋上に走って避難しました。その時はもう、津波が来ていて車やがれきが流れてくるし、人はおぼれているしで、本当に怖くて悲しい気持ちでいっぱいでした。津波は、学校の二階まであがってきました。海の方を見ると今度は火事で火がたくさんの所に広がっていました。また地震は発生するし、さらに雪も降ってきて、とても凍るような寒さの中、津波が引くのを見ていました。そして、津波は引かないまま、三階の教室で夜を過ごしました。夜はとても寒く、全然眠れませんでした。ただ燃えている方を見ながら「夢みたいだね」「本当に現実なのかな」と友達と話しているばかりでした。私にとって、この日のことは一生忘れられない出来事です。
私の家はもう流されてありません。宝物も流されてしまいました。私が生まれ育った閖上がこんなにも変わってしまって悲しいです。津波は、こんなに恐ろしいのだなと思いました。(後略)
あの日のことを忘れない。
そして、近いうちに発生すると言われている東南海地震に備える。
記憶がだんだんと薄れていく中で、今一度、考えたいことだと思います。