9/24 聴く力
- 公開日
- 2013/09/24
- 更新日
- 2013/09/24
知多の国語
今日の中日春秋に、こんな記事がありました。少し長くなりますが引用します。
7年前に亡くなった茨木のり子さんに「聴く力」という詩がある。
ひとのこころの湖水
その深浅に
立ちどまり耳澄ます
ということがない
風の音に驚いたり
鳥の声に惚けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり
わが父祖たちは鳥の言葉が分かる頭巾をかぶり、樹木や子どもの病気を治した「聴耳頭巾(ききみみずきん)」の民話を持つ。
その末裔(すえ)は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか
自分にしか関心がなく、他人を言い負かすことに懸命な輩(やから)ばかりだ。
だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受け止める力がなければ
含蓄のある文章だと思います。現在はネット社会といわれ、相手の顔を見ない会話が存在しています。けれども、それが本当に会話と言えるでしょうか。会話は双方向のコミュニケーションです。そのために、「聴く力」が大切になります。「聴く力」の育成。学校も努力しなければ、と感じた文章でした。