牛になる事
- 公開日
- 2021/01/07
- 更新日
- 2021/01/07
校長室から
3学期始業式式辞
こうして、当たり前のように君たちと始業式を迎えることに感謝します
令和3年、2021年がスタートしました
今年の干支は「牛・丑」です
お正月の図書クイズです
次の作品の作者は、誰でしょう?
わかった人は、静かに手を挙げてくださいね
1「門」
2「道草」
3「それから」
4「坊ちゃん」
5「吾輩は猫である」
正解は、夏目漱石
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ」の書き出しは有名ですね。漱石の作品は、インターネット上で無料で読めますから、読んでみてください
夏目漱石は、言わずと知れた明治の文豪
みんなが生まれる前には、日本の千円紙幣の肖像だった人です
漱石は、大正5年に胃潰瘍のため数えの50歳で亡くなります
この年の夏、これからの文学界を率いていくであろう若き20代の芥川龍之介と久米正雄へ手紙を送っています
そこにはこう書いてあります
「牛になる事はどうしても必要です。
吾々はとかく馬になりたがるが、牛には中々なりきれないです」
牛はゆっくりどっしり、馬は、はやくかるくといったところかな
続いて
「世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますが、火花の前には一瞬の記憶しか与えて呉れません」 (参考・引用:岩波文庫 漱石書簡集)
今年も残念ながら、コロナとともに進んでいくことになります。
焦らず牛のごとく超然と自分自身を鍛えて磨いていってほしいと願っています