3/4(水) 改めて・・・『第62回卒業式』に寄せて
- 公開日
- 2020/03/04
- 更新日
- 2020/03/04
校長メッセージ
卒業式式辞
満開のサクラソウが毎年のように式場を飾り、少しはにかみながらも誇らしげに入場する卒業生が目の前にいます。
本来ならば、ご来賓の皆様にご臨席を賜ったことへのお礼と、保護者の皆様にお子様のご卒業のお祝いと、3年間学校に寄せていただいたご支援・ご協力にお礼を述べるはずだったのに、突然の臨時休校の運びとなった卒業式。
卒業生と教職員だけで行うことになるという事態に「できることはやろう」とまさにワンチームとなって動いた先生たちと、突然の大きな変更に動揺しながらも、緊急事態を落ち着いて受け入れる生徒が集い、今日の卒業式を迎えることができました。
伝統ある知多中学校の第62回卒業生として巣立つ196名の皆さん、卒業おめでとうございます。
「深めよう絆 高めようチームワーク」。知多中の門をくぐって間もない一年生の校外学習のテーマは、3年間変わることがありませんでした。
入学当初から男女仲のよかった皆さんは、卒業を迎えるまでの3年間、さらに大きな成長を遂げてきました。縦割りの運動会や部活動で見せた後輩を引っ張るリーダーシップ、林間学校や修学旅行といった、校外学習で見せた調和のとれた集団の力。この3年間、皆さんの人間的な魅力を随所に感じてきました。
先日の「3年生を送る会」は、卒業生と在校生のあるべき理想の姿を示してくれたと感じたのは、私だけではないでしょう。尊敬する憧れの先輩のために、精一杯力を出した在校生、後輩の気持ちを受け止め、温かい拍手と笑顔を送る卒業生。体育館に満ちた一体感を共有できた一人として幸せに思います。
もう一つ、合唱祭のことにも触れたいと思います。「今年の3年生が一番うまい」と、毎年心から思います。特に学年全体が一つになった学年合唱は、聴く者すべての心を揺さぶり、在校生に圧倒的な力の差を見せつけ、同時に2年生の心に火をつけます。「一生懸命やることはかっこいい。自分たちにもできるだろうか。いや、できなければ3年生は務まらない」。歌を通した縦のつながりも、知多中の伝統なのでしょう。
後にも先にも例のない、記憶に残る今日の卒業式、プロローグで歌った「君へ」の歌詞の一節を読みます。
届け 僕の本当の気持ち
うまく言えない本当の気持ち
不器用な字で書いた手紙を
引き出しの奥にそっとしまった
うまく言えなくたっていい。不器用だっていい。
あなたたちの人を思う気持ちは、いつだって人の気持ちを豊かにしてくれます。
自立し始めた多感な皆さんを、ときに厳しく、ときに温かく見守ってくださった家族に、自分らしい感謝の言葉を添えて、何よりも一番に卒業の報告をしてください。
最後になりますが、それぞれが進む道に幸多かれと願って、式辞とします。
Where there‘s life, there’s hope.
生きている限り、希望はあります。
卒業おめでとう。
令和2年3月3日
知多市立知多中学校長
平 下 佳 明
〜卒業生保護者の皆様へ〜
本来ならば卒業式にてこれまでのご支援・ご協力に対して直接お礼を申し上げるべきところですが、それがかなわぬ状況になり、慚愧に堪えない気持ちです。「この子たちの卒業式は」という思いをずっと温めてきただけに残念でなりません。皆様から今までお寄せいただきましたご意見の数々を、これからの学校教育に生かして参りたいと思います。3年間本当にありがとうございました。