「自分を変えたいと思っています」
生徒指導主事は、こんな言葉で話し始める。
子どもだけではなく、大人だって「自分を変えたい」。
人に流されたり、自分の意思をきちんともてなかったり・・・
新年度のスタートを「全ての人に同じようにある自分を変えるチャンスだ」とN先生は言います。

そうは言ってもなぁ。
今のオレがこうなのは、オレのせいじゃねえし・・・
なんて思っている人は、茨木のり子さんの詩を。

『自分の感受性ぐらい』

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが　ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ （茨木のり子）